「ディギディギ、ディギディギ、ヘイ!」という耳に残る音に合わせて、赤ちゃんやキャラクターが楽しそうに踊る動画。TikTokやYouTubeショートで見かけて、「これは何の曲?」「本当に踊っているの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
この動画は、SNSで「ディギディギダンス」などと呼ばれているトレンドです。人が踊る動画もありますが、最近よく見かけるのは、写真をAIで動かした“AIダンス動画”。少し不思議で、ついもう一度見たくなるかわいらしさがありますよね。
今回は、ディギディギダンスの元ネタ曲や流行した経緯、AI動画の仕組みまで、いっしょに見ていきましょう。
ディギディギダンスとは?
ディギディギダンスは、DJ ILHAMの楽曲「Digidi Digidi」に合わせて踊る短い動画の総称として使われています。
ただし、曲を出したアーティストが決めた「この動きが正解」という一つの公式ダンスがあるわけではなさそうです。軽く左右に揺れたり、肩や腕をリズムに合わせたりする人のダンスもあれば、写真の人物や動物をAIで踊らせる動画もあります。
つまり「ディギディギダンス」は、決まった振り付けの名前というより、「Digidi Digidiを使った楽しいダンス動画」全体を指す呼び名として考えると分かりやすいでしょう。
元ネタの曲はDJ ILHAM「Digidi Digidi」
元ネタは、DJ ILHAMが2026年4月20日にリリースした「Digidi Digidi」です。配信版は3分34秒で、Spotifyでは楽曲情報とリリース日を確認できます。
いちばん印象に残るのは、曲名どおり「ディギディギ……ヘイ!」と繰り返すフックの部分。意味を考え込むというより、音の響きとテンポを楽しむタイプのフレーズです。言葉が分からなくても真似しやすく、数秒で耳に残るところが、ショート動画とぴったり合いました。
どんなダンスなの?
動画によって動きは違いますが、共通しているのは、曲の繰り返しに合わせた小さく、リズミカルで、少しコミカルな動きです。
人が踊る動画では、体を左右に揺らし、肩や腕を小刻みに動かすものがよく見られます。難しい技を見せるというより、表情や“ノリ”を楽しむダンスです。
一方で、ラインダンスの世界では、この曲に合わせた32カウント・4ウォールの振り付けなども作られています。たとえばダンス投稿サイトCopperKnobには、2026年5月に複数の振り付けが掲載されました。
複数の振り付けがあることからも、ひとりの振付師が作った一種類だけが広まったのではなく、同じ曲からいろいろな楽しみ方が生まれたことが分かります。
最近よく見る「赤ちゃんダンス」はAI動画
ディギディギダンスで特に目立つのが、赤ちゃんや小さな子ども、ペット、イラストのキャラクターなどが、ロボットのようにキレよく踊る動画です。
すべてが実際に撮影されたダンスとは限りません。写真を動画生成AIに読み込ませ、ダンスの動きを加えたものも多く見られます。投稿によっては、Kling AIなどの動画生成ツールやテンプレートが使われています。
静止画だったはずの人物が、急に曲に合わせて本格的に踊り出す。その意外性が面白く、「自分の写真でも試してみたい」と真似する人が増えました。踊りが得意でなくても参加できるので、ダンス企画の入口が一気に広がったともいえますね。
なぜここまで流行したの?
1.最初の数秒で覚えてしまう音
「ディギディギ」の短い繰り返しは、初めて聞いてもすぐに覚えられます。長い歌詞を知らなくても、音が来るタイミングに合わせて動けるのが強みです。
2.言葉の壁が低い
歌詞の意味を完全に理解しなくても、リズムだけで楽しめます。そのため、国や言語をまたいで同じ音源が使われやすくなりました。インドネシアの公共放送RRIも、TikTokでダンス、娯楽、日常動画のBGMとして広がったと紹介しています。
RRI「Digidi Digidi Jadi Backsound Favorit Konten Kreator」
3.AIで「誰でも踊れる」ようになった
以前のダンスチャレンジは、振りを覚えて撮影するのが基本でした。ところがAIダンスなら、写真から動画を作ることもできます。本人だけでなく、家族の写真、ペット、イラストなどにも展開できるため、投稿のアイデアがどんどん増えていきました。
4.見た瞬間に内容が伝わる
数秒の動画でも、「この子が踊り出した!」という驚きがすぐに伝わります。説明なしで笑えたり、かわいいと思えたりするので、スクロール中の人の目を止めやすいのも流行の理由でしょう。
流行の経緯を時系列で見ると
- 2026年4月20日:DJ ILHAMの「Digidi Digidi」が配信リリース
- 2026年5月ごろ:曲に合わせた複数のラインダンス振り付けが公開
- 2026年6月ごろ:TikTokなどでダンスやAI動画のBGMとして拡散
- 2026年6月25日:英国のOfficial Singles Sales Chartで82位、Downloads Chartで77位を記録
- 2026年夏:日本語圏でも「ディギディギダンス」の呼び名で動画が目立つように
英国チャートにも登場したことから、SNS内だけの小さな流行ではなく、音楽配信やダウンロードにも波及したことが分かります。
Official Charts「DIGIDI DIGIDI – DJ ILHAM」
「ディギディギ」にはどんな意味がある?
日本語の「ディギディギ」に、決まった日本語訳があるわけではありません。SNSでは、曲の中で繰り返される音をそのままカタカナにして呼んでいます。
この部分は、物語を伝える言葉というより、口ずさみたくなる掛け声のようなもの。意味よりも響きが先に届くので、小さな子どもから大人まで覚えやすいのですね。
似た名前の曲とは別ものです
「ディギディギ」と検索すると、よく似たタイトルの曲がいくつか出てきます。とくに次の作品とは別ものなので、少し注意が必要です。
- 「Diggy Diggy Hole」:ゲーム『Minecraft』をきっかけに広がった、YOGSCASTの古いネットミーム/楽曲
- 「Bom Diggy Diggy」:インド映画『Sonu Ke Titu Ki Sweety』でも知られる楽曲
今回のディギディギダンスの元ネタは、DJ ILHAMの「Digidi Digidi」です。タイトルが似ていますが、曲も流行した時期も異なります。
AIダンスを楽しむときに気をつけたいこと
自分でも作ってみたくなったら、まずは自分の写真や、使用許可のある画像を選びましょう。他人の顔写真を無断で動かして公開すると、肖像権やプライバシーの問題につながることがあります。
とくに子どもの写真には、制服、名札、自宅の周辺など、場所や個人が分かる情報が写り込んでいないか確認したいところです。また、音源はTikTokやInstagramなど、投稿するアプリ内で正規に提供されているものを選ぶと安心です。
そして、SNSで見た動画がAI制作かどうか分からないときは、「本当に本人が踊った」と決めつけないこと。AI動画をAIだと分かる形で楽しむのが、気持ちのよい付き合い方ですね。
まとめ
ディギディギダンスは、DJ ILHAMの「Digidi Digidi」を使ったSNS発のダンストレンドです。ひとつの公式振り付けが広がったというより、人のダンス、ラインダンス、写真を動かすAIダンスなど、いろいろな動画が同じ音源から生まれました。
流行のポイントは、意味を知らなくても口ずさめる「ディギディギ……ヘイ!」の響き。そして、AIによって“踊らなくてもダンス動画に参加できる”ようになったことです。
次にSNSで見かけたら、人物の動きや背景にも注目してみてください。「これは実際のダンス? それともAI?」と見比べると、また違った面白さが見えてきますよ。

