銀色のバッグ、青く光る文字、宇宙船のような部屋、少し粗いCG。最近のSNSで、どこか懐かしい「未来」を見かけることはありませんか?
いま若い世代が面白がっているのが、昔の人が思い描いた未来を楽しむ「レトロフューチャーコア」です。
本当に新しい未来というより、「子どものころは、21世紀ってこんな感じになると思っていたな」と思わせる世界観。平成を知る大人には、懐かしさの答え合わせのような面白さがあります。
レトロフューチャーコアとは?
レトロフューチャーコアとは、過去に描かれた近未来のデザインや空気感を、ファッション、写真、動画、部屋づくりなどで楽しむスタイルです。
「レトロフューチャー」は昔の未来像、「コア」はSNSで特定のモチーフや世界観をまとめるときに使われる言葉。両方を合わせると、「懐かしい未来を共有する世界観」というイメージになります。
どんな見た目がレトロフューチャーコア?
- シルバー、青、白、ネオンカラー
- 宇宙、惑星、星、UFOなどのモチーフ
- 透明なプラスチックやメタリックな素材
- 昔のパソコン画面、ピクセル、粗いCG
- 丸みのある家電や、ボタンがたくさんある機械
- 2000年前後のミュージックビデオに出てきそうな衣装
未来的なのに、どこかアナログで不器用。そのちぐはぐさが、かえってかわいく見えるのです。
どうして2026年に注目されているの?
TBS NEWS DIGでは、SHIBUYA109 lab.の長田麻衣所長が、2026年は「デジタル平成」が注目され、当時の近未来観や宇宙観を楽しむレトロフューチャーコアが広がりそうだと紹介しています。
いまの若者にとって、昔のWindows画面やガラケー、初期のCGは、生まれる前や幼いころの新鮮なデザインです。一方、30代・40代には「新しかった時代の記憶」として映ります。
同じものを見ても、若者は新鮮、大人は懐かしい。この二つの感覚がSNSで出会ったことが、広がる理由のひとつでしょう。
言葉の由来を分けてみると分かりやすい
「レトロフューチャー」は、昔の人が思い描いた未来像を楽しむ「レトロフューチャリズム」から来た言葉です。銀色の宇宙服、丸みのある家電、カラフルなコンピューター画面など、少し古いのに未来っぽいデザインを想像すると近いでしょう。
そこに、SNSで特定の美意識や世界観を表す「○○コア」が合わさったのが「レトロフューチャーコア」です。まったく新しい発想というより、昔からあるレトロフューチャーを、平成のデジタル感やY3Kのムードと一緒に若者が再編集した言葉、と捉えるとしっくりきます。
2026年に注目語になった経緯
大きなきっかけのひとつは、SHIBUYA109 lab.の2026年注目トレンドです。15〜24歳の女性を継続調査する同研究所の所長・長田麻衣さんが、「Y3K」と並ぶキーワードとしてレトロフューチャーコアを取り上げました。
その後、TBS系「THE TIME,」も街の若者と長田さんを取材。Windowsの昔のデスクトップ画面や、2000年代の音楽映像にあった宇宙的な雰囲気が例として紹介されました。TBS NEWS DIGの記事では、当時のモーニング娘。のミュージックビデオを連想させる世界観にも触れています。モーニング娘。が現在の流行を作ったという意味ではなく、若い世代が過去の映像を新鮮な参考資料として見つけ直している、ということですね。
誰が広めたの?
特定の有名人ひとりが生み出した流行ではありません。SNSで平成のパソコン画面、ガラケー、スペーシーな服や映像が少しずつ共有され、SHIBUYA109 lab.やテレビが名前を付けて可視化したことで、一気に説明しやすくなったタイプのトレンドです。元ネタの空気を見比べたい方は、モーニング娘。公式サイトから過去作品をたどってみるのも面白いですよ。
Y2Kファッションとは何が違う?
Y2Kは、2000年前後に実際に流行した服装や小物を取り入れるファッションです。ローライズ、短いトップス、厚底靴、ミニバッグなどが代表的ですね。
一方、レトロフューチャーコアは服だけに限りません。画像加工、部屋、音楽、映像なども含めて「昔に想像された未来」を楽しみます。
Y2Kについて詳しく知りたい方は、当サイトの「Y2Kファッションとは?」もあわせてどうぞ。
大人が取り入れるなら、小物から
シルバーのバッグやスニーカー
全身を宇宙風にしなくても、シルバーの小さなバッグやスニーカーを一点加えるだけで雰囲気が出ます。黒、白、ネイビーの服と合わせれば派手になりすぎません。
透明素材のポーチやアクセサリー
クリア素材は、平成の文房具や携帯電話を思わせるアイテム。ポーチやイヤリングなら、普段の生活にも自然に取り入れられます。
写真加工で楽しむ
青みのある色、日付表示、粗い画質、フラッシュ撮影などを使うと、昔のデジカメらしい写真になります。服を買わなくても、写真の雰囲気だけで楽しめるのもコア系トレンドの面白さです。
平成を知っているからこそ楽しめる
レトロフューチャーコアは、若者の不思議な流行というより、過去のデザインを今の感覚で見直す遊びです。
当時を知っている大人なら、「これは昔、本気で未来っぽかったんだよ」と語れることもたくさんあるはず。平成女児ブームの記事と同じように、世代を越えて話せるきっかけになるトレンドですね。

